2014/09/28

恣意的に意図的で難解な日本語の話をしてみる

 先ごろ文化庁の『平成25年度「国語に関する世論調査」』にて「世間ずれ」や「まんじりともせず」の使われ方が変化しているとの発表がありました。「間違っている」「おかしい」との意見が多いようですが、何が何でも昔の方が正しいと言い張っている皆様は山茶花は「さんざか」ときちんと読んでいるのでしょうか。単に誤用と言い切ればそれまでですが日本語はそんなに単純なもんじゃないだろう、とわたし自身自分の日本語に対する学の無さを痛感する出来事があったので少しお話ししたいと思います。  

 特別に作成された環境変数を使用した Bash コード挿入の脆弱性 (CVE-2014-6271) - Red Hat Customer Portal

これが何なのかは説明は省くとして(対策に奔走した方も多いはず…)記載されている文章を読んでいると「~このスクリプトは恣意的なコードを」という一文があって、結構大きな会社でも恣意的を意図的の意味で使っているんだなぁ、と思っていたのですが冷静に考えてみたら「思いつくまま好き勝手にコードを実行できる」という意味でも間違いではないんですよね。書き手の意思、想定している状況、そもそも、意図と恣意の明確な違いを読み手は理解しているか?とあれこれ考えてみたら安易に誤用と決めつけるほうが問題なんじゃないかと反省しきりです。言葉の坩堝というもののは実に深い。

 恣意的という言葉の現在のような使われ方が広まった理由に関して「そうそう、そんな感じ!」とすごく共感した考察があったので紹介しておきます。

誤字等の談話室 3 - 恣意的

"「故意」「意図的」「意識的」「作為的」、類語はたくさんあります。
しかし、それらの言葉はいずれも、「自分勝手」というニュアンスには欠けています。
他人のことを考えず、自分の都合だけを優先する醜い思想や行動。
それを指摘し、蔑視するための言葉として、「恣意的」 が選ばれた。
私は、そう考えています。"


他人のことを考えず、自分の都合だけを優先する醜い思想、とするのであれば、恣意的と批判する側が恣意的だと思いませんか?

果たして本当に「悪いひとたち」は誰なのか、わたしたちはよく考えなければならない気がします。

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